未病について、医食同源、薬食同源について
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漢方の言葉で『未病』の読み方をご存知でしょうか?現在オーストラリアの大学院で翻訳を勉強しており、漢方関係の翻訳を進めているのですが、場所が場所なので、日本語の情報がうまく手に入らず苦戦しています。お力をお貸しいただけないでしょうか。 |
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未病(みびょう)と言う言葉は「医食同源」と共に最近特に健康食品や健康料理の先生方によく使われるのですが、金匱要略の臓腑経絡先後病篇(ぞうふけいらくせんごびょう へん)の冒頭に「問うて曰く 上工(じょうこう)は未病を治すとは何ぞや」と言う言葉が有ります。その後に続く文章から上工は肝の病を見て次ぎには脾に病が及ぶことを知っているので肝を治するのに併せて脾を補うのであるが中工(ちゅうこう)はその事を知らないので肝の病を見ても肝だけを治そうとするのである。
因みに上工(じょうこう)とは十人の病を見て九人を治し中工(ちゅうこう)は十の内七人を治すと言います。代表的な漢方の定理、公理に陰陽論(いんようろん)と五行論(ごぎょうろん)がありますがその五行論に基づいて病がどの様に進行するかを知って病が進行しないように上手に治療しなさい。と続くのです。
「未だ病まざるを治す」。というのは全く健康な人を病気に罹る前に予防すると言うように使われているのですが原文の意味からすると病気になったときその病気が進行しないように次ぎに犯される臓腑を先回りして補い病気が進行しない様に上手に治療する方法を解説している言葉です。
医食同源、薬食同源という言葉も、基の意味は薬を用いて病気を治する調剤の原則も健康を保ち病気なならない様に食を調理する原則も、その原理原則(補助益(ほじょえき)、相生相剋(そうしょう、そうこく)に基づく五味調和(ごみちょうわ))は全く同じであると言う意味が正しく、食が薬であるという意味で使われることが多いですが、本来はそこから出たものです。
漢方の用語は英語で如何訳したらよいのか言葉が見付からない場合が多く意訳しなければならないので両方の知識が必要になり困難な作業と思いますが大変貴重な研究ですから頑張ってください。 |
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